気をつけよう冬の脳卒中

「脳卒中」は、冬と夏に多いと言われてきましたが、最近は、冷暖房設備が整備されるなどの影響により、脳卒中と季節には、昔ほど強い関連はなくなってきています。
脳卒中とは? 
 「脳卒中」は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることにより、脳が十分な機能を果たせなくなる病気の総称で、医学的には「脳血管障害」といいます。
 脳卒中は、大きくは、脳の血管が詰まって血液が流れなくなる「脳梗塞」、脳の血管が破れて起こる「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
増加する脳梗塞
 脳卒中のうち、かつて日本で最も多く見られた脳出血は、近年、減少しています。最近では「高血圧、糖尿病、高脂血症」など、生活習慣病の増加とともに、脳梗塞が高率に見られるようになりました。死亡率を見ると、脳卒中の約6〜7割が脳梗塞、2〜3割が脳出血、約1割がくも膜下出血になっています。
画像診断で早期発見
 本格的な脳卒中の発作が起きる前に、脳卒中の起こる危険性や脳の血管の状態を検査で調べることが出来ます。
MRI(磁気共鳴画像)検査
磁気を利用して、脳のあらゆる断面(縦、横、斜めなど)の画像を見ることができます。CTより精度が高く、細かい部分まで表します。
脳血管の状態を詳しく見ることができるので、自覚症状のない「無症候性脳梗塞」の発見にも大いに役立ちます。 
検査の受け方
 脳卒中が心配な人は、まず、脳神経外来の受診をお勧めします。
病変が見つかったとき
 検査によって、脳卒中の何らかの危険性が見つかった場合は、次のように対応します。

脳梗塞の危険がある場合 
 「無症候の脳梗塞の有無、脳や頸部の血管の動脈硬化の度合いや部位、危険因子の有無」などにより、対処法を判断します。
 なかには、外科的な治療が必要な場合もありますが、多くは経過を観察しながら、日常生活に気をつけ、定期的な検査や薬による治療を受けることになります。「高血圧、糖尿病、高脂血症」などはしっかり治療します。
 また、「不整脈」、特に「心房細動」のある場合は、塞栓がはがれて流れていきにくくなる薬を使うことがあります。

動脈瘤が見つかった場合
「動脈瘤」が見つかった場合は、「動脈瘤の形、大きさ、部位、年令、生活環境、危険因子の有無」などにより、対処法を判断します。
 危険が大きければ、「動脈瘤にクリップをかける」、あるいは「カテーテルを入れて、コイルで動脈瘤を埋める」など、外科的な手術が考慮されます。
 緊急性がない場合は、とりあえず経過を見て、血圧が上がり過ぎないように、「過激な運動を控える、ストレスを防ぐ」などの生活指導を行い、さらに定期的な検査を続けます。
 なお、脳出血は、発症する前の段階では、画像診断ではっきりととらえることは困難です。
 
 なにより、大切なのが、「予防に勝る治療なし」ということです。日常生活において「高血圧や糖尿病、高脂血症」など、脳卒中の危険因子をつくらない、ある場合は治療することが最も重要だといえます。

谷村外科胃腸科医院
監修:医師 谷村雅一 薬剤師 加納久美
加納久美のWebClinic

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